GSD Japan Trek 2019 その2

前回記事に引き続きGSD Japan Trek 2019について。最終の2日間には京都大、大阪工業大、京都市立芸大、立命館大の建築・ランドスケープ・都市系の学生および、海外大学進学希望の高校生および、実務経験者を含む一般公募者とGSDの学生のコラボレーションによるワークショップを開催した。

2025年に決まった大阪万博を、その開催期間中、開催後にベイエリア、ひいては関西エリア全体にどのように活かせるかについてアイディア出しを行った。最終講評会にはGSD卒業生で世界で活躍する教授陣を招待し、学生が出したアイディアに基づいてさらに深化したディスカッションを行った。

教授陣にはワークショップの初日の午前にも参加してもらい、自身のプロジェクト紹介を頂きながら、学生へのインプットを行ってもらった。スイスのホソヤ・シェーファー建築都市設計事務所の細谷代表、大阪工業大学准教授の前田先生、京都大学助教の小見山先生、京都市立芸大講師の坂東先生、富士通の平原氏と、とても豪華な顔ぶれにレクチャー頂くことができた。これもGSD卒業生ネットワークのおかげである。

それに加えて、スポンサーでもあるルートHから海外大学進学希望の高校生にも参加してもらった。ワークショップのために熊本からわざわざ大阪にまで出てきてくれた子もいるぐらい、高校生たちはやる気に溢れていて、チームに入った際のディスカッションでの発言も切れ味がある。今年から新たに募集した一般公募者には、実務経験が長いエキスパートも多く、ワークショップにおける議論を積極的にリードしている。

そもそものワークショップの目的は、近年減少している建築系学生の海外留学に伴い、世界のトップレベルの学生が集まる場所と日本の距離がどどん遠ざかっている状況の中、その関係を寄り戻し刺激しようというものだった。今回のワークショップは高校生と一般公募者のエネルギーが引き金になり、予想以上に活発なものになったように思う。日本側が関西人というノリもあるのかもしれないが、打ち上げの雰囲気もとてもハッピーだった。

15歳から40歳までが集まり、一緒にデザインし、発表するというプロセスによって、その成果物以上に意義のあるポジティブなエネルギーが生まれたのだ。これは、自分がGSDで学んだこと外部化して、さらに多くの人の学びに繋げることができたからだと思う。「自分の学びの外部化」の可能性は今後もさらに突き詰めて行きたいと感じた瞬間だった。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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