GSDな自分 4.0

GSDへの留学も3つ目の学期が終わり、残すところはあと1学期だけとなった。最終学期はスタジオを選択していないため、代わりに授業を合計5つ取ることで全ての単位を履修することができる。感覚としてあるのは、1学期目にやっと生き抜いたというものから、2学期目の手応えを感じ始めたといのを経て、3学期目はさらに自分の知らない領域に踏み込んでいく挑戦を乗り越えたというものだ。

学期の中で特に履修して良かったと感じるのは、自分が知らない分野における学びである。MITメディア・ラボにおけるTangible Interfaceの授業では、世界がまだ発見していない「デザイン」という領域にはとてつもない広がりがある、ということを思い知ったし、GSDでの都市のデータ解析であるUrban Analyticsのクラスでは、都市の複雑で未だ解明しきれない深みというものを垣間見ることができた。

そのように広がる領域の中でも、授業を通じて基本的な技術を身に着けたことで、そこに足を踏み込むきっかけを獲得できたのが、何よりの財産でもある。知っていると知らないでは雲泥の差があるし、そういう未知の領域から建築にフィードバックすることによって新しい何かが生まれる。

自分の人生としても大きな変化があった学期でもあった。10月には娘が生まれ、妻が韓国籍ということもあり、アメリカ、日本、韓国の三重国籍の赤ちゃんとなった。幸運なことに学生という立場のため、日本で働いている時に比べて多くの時間を一緒に過ごせているのだろう。

面白いのは成長の過程で、意志もなく人間とは言えない段階から、意志ができはじめ、興味があるものが選別され、体を動かすのが好きなことがわかり、他者を認識してコミュニケーションをとるようになるというプロセスだ。

子供の成長というものが、いかに周囲の環境に影響されるかということがわかる。ちゃんとした環境を親が用意しなければならないのだ。自分の学びを還元しなければならない。

以前、東大大学院時代の指導教官である前先生に「GSDに行くのであれば、自分の成長だなんて生易しいことを言っていてはだめだ。外部に学びを拡張し、リーダーになりなさい」と言われたことがある。

GSDのJapanTrekを主催した成果でも感じたことであるが、外部への学びへの拡張というのはとてもポジティブなエネルギーを生み出すものだ。JapanTrekで得られた経験と、娘の成長をだぶらせながら、卒業時の最終的な目標に向かっていこう。

最終学期もさらに自分の学びを拡張し、還元する。後悔の残らないように頑張りたい。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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