Plimpton-Poorvu Design Prize

先学期マイアミで提出したプロジェクトを、ハーバードGSD内の賞であるPlimpton-Poorvu Design Prizeにチームメイトのサムとの連名で応募し、見事1位を獲得することができた。(https://www.gsd.harvard.edu/architecture/fellowships-prizes-and-travel-programs/plimpton-poorvu-design-prize/)

GSD学内のプロジェクトで、デザイン+不動産開発の視点から見て現実的かつ優秀なものに与えられる賞で、米国のハーバードのような環境でも結果を出すことができたことが何よりも嬉しい。

元黒人指定居住区であるマイアミのオーバータウンを敷地に、既存の点在する交通・緑地インフラと空き地を繋ぎ合わせ、低所得者向けの住宅とオフィス・商業・コミュニティセンターの複合施設をデザインした。商業的なものからの収益で低所得者層向け住宅を補助し、15年でペイオフするような資金運用シナリオまで提案し、プロジェクトの重層性と社会性が評価されたものである。

応募のプロセスは、スタジオで提出した案に不動産戦略を追加するところから始まった。実は、サムのお兄さんのクレイがMAUDの2年上で卒業しており、その時に彼が応募して失敗したという過去がある。クレイは現在不動産+建築事務所を営んでいて、サムに前からPlimpton賞に応募することを勧めていた。

そのため、マイアミのスタジオの敷地選定の段階から、不動産の視点で面白い土地を戦略的に探していた。そのことが功を奏して、不動産戦略を追加するのもうまくいき、1月末に資料を提出した。

3月頭には自分たちのチームがファイナリスト3組のうちの一つだとアナウンスされた。3月中旬には中間発表があるということで、それに向けたクリティークからのコメント付きのものだった。コメントがかなり厳しいものだったため、何で自分たちがファイナリストなのかとか考えながら、相当な力を入れてサムと一緒に提案を修正した。

その結果、中間発表ではかなりポジティブな反応を得ることができ、これはいけるのではないかという雰囲気になってきた。中間発表で得たコメントを元に、また力を入れて修正していき最終提出したところ、結果として1位に選出してもらうことができた。

提案の力もさることながら、講評に対して真摯に応え、プロジェクトを改善し続けたことも高く評価されたということであった。

不動産のように地元密着で保守的な分野は、まだまだアメリカ人が主流のフィールドだ。そのため、ファイナリストに残った中でも留学生は自分だけだったように思う。受賞のパーティでも思ったのだが、1位をとったことで初めてそのコミュニティの中に入ることができた感覚があった。

どの国においても、多くの人に認めてもらうためには分かりやすい結果が必要、というのは共通だろう。今回はチームメイトのサムの兄の執念に始まり、様々な要素がつながっていくことで、受賞という結果に結実したのだとう思う。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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