今学期は中国本土中心に位置する都市である、鄭州がテーマのスタジオをとっている。黒川紀章が設計した鄭東新区を含めた新しい軸線をどうデザインするかがテーマである。3月の末から4月の頭にかけて、敷地見学+調査をのための7日間のスタジオ旅行があった。
スタジオ旅行はGSDが飛行機代、ホテル代をカバーしてくれるので、こちらは参加費の3万円+現地での食費・交通費を払うだけだ。現地でもスタジオのスポンサー企業が食事を提供してくれたりするので、実際は殆どお金を使うことがなかった。高い学費を払っているのだから、スタジオには積極的に参加して、こういうところで取り戻したいものだ。
ボストンから鄭州への直行便はもちろんないので、フライトは上海を経由した。旅行の1日目は上海にて中間講評までに行ったリサーチと設計案の発表、2日目から4日目はバスを使っての鄭州の巡回、5日目はグループ毎の敷地調査という流れだ。
1日目の上海でのプレゼンテーションはスタジオのスポンサーでもある天華設計の事務所で行われ、上海周辺の重要大学の教授が集められて講評会が行われた。午前中にジョアン・バスケッツによるレクチャー、午後に学生からのリサーチ・デザイン発表という形式で、1日中みっちりと時間をかけた。
2~4日目の鄭州の敷地調査ではチャーターバスによって市内を回った。今回学生が選択した敷地のうちの殆どは地下鉄が敷かれる前の状態なので、公共機関を利用して動くのが難しいためだ。車から眺める景色からは、高速道路のインフラがいかに都市を分断してるか、車の交通量がどれだけ歩行者にとっての都市環境を悪くしているかということがわかってきた。
5日目は自分たちが敷地として選んだ鄭東新区を巡った。地図で見るとやや変なものに見えるのだが、その場所を歩いてみると想像以上に人工の池が効いている。人々もその環境をエンジョイしているのが良くわかる。水景というものは、たとえそれが人工のものであったとしても、都市環境に恵みを与えるものなのだろう。
特に鄭州は中国大陸の中心にあり乾燥していて、高速道路と渋滞で溢れたホコリの多い街だと住む人は言う。その人たちからすれば、まるで鄭州じゃないような都市空間がそこにはあるので、週末に買い物に行ったりするのにはぴったりなのかもしれない。
鄭東新区は数年前はゴーストタウンだとして揶揄されていたが、今は多くの人で溢れている。黒川紀章の案がコンペで勝利したのは、そういう願望を掴んでいたからかもしれない。
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