自転車を買う

自転車を買ったのは、毎日の通学のためである。ボストンと呼ばれるエリアは、中央に流れるチャールズリバーを境として、大きく北側と南側に分かれる。南側にボストン市及び商業や文化の中心地があり、北側にMITやハーバード大がある。

現在はハーバード大近くの寮に住んでいるのだが、英語の授業はチャールズリバーの南側のボストン大で行われている。そのため、川の向こう側の教室まで行くのに、地下鉄を使うと40分、歩きで行くと30分、バスを使うと25分という感じだ。

地下鉄で行くのになんでこんなに時間がかかるかと言うと、地下鉄網が市の中心部からツリー状に発達しているからだ。ある路線の駅から、別の路線の駅まで所へ行きたい時には、必ず一度中心部を経由する必要がある。寮がある駅とボストン大の駅がそういう位置関係なので、地下鉄だと大回りすることとなり、歩いた方が速くなるというわけだ。

最初は歩いて通っていたのだが、そのうちに自転車道がとても良く整備されていることに気づいた。アメリカで自転車は基本的に車と同じ扱いで、車道の中に自転車レーンがある。信号も車と同じものを守り、ヘルメットの着用も義務だ。路上駐車も許可さえあれば合法な国なので、路上駐車エリアと自転車レーンがしっかり分かれているのが面白い。歩道から順番に、路上駐車ゾーン、自転車レーン、通常の車のレーンという構成である。日本と違って、自転車レーンに車が止まっていることは稀なので、とてもスピーディーに市内を移動することができる。

ということで、自転車を買うことにした。Walmartの通販で80ドルで1台、送料無料で買うことができた。分解して梱包された状態で届いたので、工具を使い組み立てた。ブレーキの調整にやたらと手こずり、使える状態になるまで1時間半ぐらいかかってしまったが、自転車の組み立て方や仕組みが学べたということで、ポジティブに捉えよう。

早速自転車通学を始めてみると、これがまた教室まで10~15分しかかからない。ボストンで自転車を持つことはとても効果的なのだ。特にチャールズリバー沿いの自転車道はとても気持ちが良い。他の場所と違って自転車道が歩道の中に整備されている。川を眺めながら、芝生の中を走り、時折行き交う自転車やランニングする人々を避けながら進む。ボストンの人々の夏の過ごし方を知ることもできて刺激的だ。中には、ベビーカーを押しながらランニングするお母さんまでいる。

自転車が使い物にならなくなる?という噂の冬まで間、なるべく自転車を活用してボストンを楽しもう。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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