ボストンで美容室に行く

出国してから1ヶ月以上が経った頃には髪もいい加減伸びたので、ボストンで美容室に行った。前に中国で半年を過ごした時も、海外で髪を切ること抵抗があったのだが、日本より安いしサービスも至れり尽くせりだったので、良い思い出だ。

今回状況が違うのは、ここはアジアじゃないということだ。僕のようなストレートでハネる髪質は欧米人には少ないため、現地の人が普段行くような美容室で髪を切ってしまうと、右の後頭部のハネグセがまたあらはになってしまう。それだけは避けたい。

出国前に日本でいつも切ってもらっていた美容師さんに、アメリカの美容室事情について聞いたことがあった。極端な例で言えば、現地の美容室の技術に見切りをつけ、日本人同士で髪を切り合うということもがあるという。都市部では、アメリカで美容師として成功することを夢見た日本人が経営するサロンもあるらしい。

日本人経営を狙うしかないと考え、"Japanese hairsalon Boston"と検索したところ、数件ヒットした。その中でいくつかメールしてみたのだが、基本は予約してから1週間以上待つらしい。数日前に予約すれば必ず髪を切れる状況に慣れきっていたが、さすがに人気があるのだろう。予定を調整した上で、"Japanese Hairstylist Taka"で切ることにした。"Haute Coifere Salon Boston"という現地の全く別のヘアサロンで間借りをしているため、店を見つけるのには若干の苦労をしたが、無事に入店ができた。

Takaさんがなぜボストンで美容師をやっているかというと、昔から英語を話す国で働きたいという願望があったのだという。高校を卒業する時に海外で働くことができる職業を調べると、庭師、寿司職人などもあるだが、その中で美容師が一番身近だったとのこと。日本で資格をとってサロンで働くうちに、ボストンの日本人経営の美容室で人を探しているという話を聞きつけ、英語も喋れない中で一念発起して渡米をした。アメリカでのキャリアはかれこれ8~9年とのことだ。

アメリカでは、自分でヘアサロンを持つ前に、他のヘアサロンに間借りして独立するということが一般的なようだ。将来はヘアサロンを持つことを目標にして、今はフリーランスで活動しているという。お客さんは周辺の大学に通う留学生が多く、日本人と外国人が半々。日本人のお客さんのうちの大抵は、一旦現地のヘアサロンに行って衝撃を受けてから、気を取り直して来る人が多いのだという。

当然、カットの技術も何の問題もなかった。切ってから3週間程度経った今でも、特に右の後頭部の髪がハネることもなく、トラブルなしに過ごしている。日本ではいくらカットの調子が良くても褒められることはないが、こっちだと同じアジア系の友達に髪型を褒められたり、どこで髪を切ったのか聞かれたりするので新鮮な気分だ。これでまた生活の基盤が一つ整った気がする。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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