GSDの多様性と

9月の頭から新学期が開始ということで、その前に入学のオリエンテーションがあった。事務的な内容についてレクチャーを受け続けたり、他の新入生との交流会があったりするイベントだ。一番重要なのがGSD学部長のモーセン・モスタファヴィによる挨拶で、それが入学式のようなものなので、参加者も多かった。

挨拶の中で面白かったのが、GSDの多様性の話だ。新入生は400人ぐらいで、その52%は留学生、全体の半分以上が女性だという。世界中の42の異なる国からの、200以上の異なる大学を卒業した学生が集ってきている。そのうちの20人前後が、それぞれニューヨーク近辺、シカゴ近辺、ロサンゼルス近辺、そして北京から来ているとのことだった。中国の勢いがすごい笑

これだけの多様なのはさすがハーバードというしかない。ちなみに、自分がいるMAUDに関しては、半分が中国系、他はアメリカ人と留学生である。中国人の学生は5年制の大学から直接GSDへの入学するケースが多く、アメリカ人や留学生は3~4年程度働いてから、入学する人が多い。

先日、設計スタジオのウォーミングアップ課題があり、提出するものとしてクラスメイトの作品が壁一面に張り出された。全てのパネルにそれぞれ個性があり、今までいた世界では全く思いつかなかったような表現に頻繁に出会うので驚きだ。

そして、パネルのビジュアルのクオリティがものすごく高い。日本の大学院にいた時はある程度きれいな図面を作ってしまえば、それだけで廻りと差別化できたが、ここではそれだけでは全くもって足りない。自分の思考が明確にビジュアル化されてなければならないし、そこに個性が出ているのも必須だ。

大学や大学院時代は、自分の提出した案に反省なりすることはあるものの、パネルのビジュアル化のクオリティに後悔をしたことはそれほどなかった。GSDでは、案が面白いことと同時に、高いレベルのビジュアル化まで伴わなければ話にならない。なので、クラスメイトのビジュアル化の手法で盗めるものは盗むべく、勉強するようにしている。

逆に、近くの本屋にいけば、日本の広告や看板デザインをまとめた本などが置いていある。日本も明確な個性を持っている場所なのだ。自分が今まで得てきたものを大事にしつつ、多様性の海の中で得られるものを得られるだけ取り入れ、もっともっと洗練させて、進化していくしかない。

GSD World  - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

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建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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