ロゴ社会とハーバード・ブランド

アメリカなにしろロゴの多い国だ。ロゴ社会だ。学生はロゴが入りの服を着ている人が多いし、ラップトップに何かのロゴをペタペタ貼り付けるのも好きだ。個人的に面白いと思ったのが、街中やビルの中で作業をしているような人は全てロゴ入りの何かを着ていて、それでその人の役割がわかることだ。

清掃している人ならxx Serviceと書いてあるし、庭を整える人たちはxx Landscapeとか書いてあるトラックで来るし、建物の中で補修作業をしている人のTシャツを見れば、ああこの人はカーペット屋さんなんだなとかがわかる。

日本だと制服の文化が発達はしているが、街中で作業している人たちが何かをしているんだろうけれども、何をしているのかはその分野に精通していないと良く分からない。なので、ロゴで役割を明確に宣言するアメリカの文化は面白く感じる。人気のあるカフェやレストランでは、そこが小規模な店でもロゴ入りのTシャツやトートバッグなどを売っているのが普通だ。

ハーバードも例外ではない。ハーバードの周りではハーバードのロゴがいつもせわしなく動き回っている。通学のためのシャトルバスだけでなく、警察からゴミ収集車に至るまでハーバード大学は自分で管理し運用している。もちろん、ハーバードの学生たちはそのロゴ入りの服を着てキャンパス内を動き回っていることが多い。

ロゴへの需要が高いためか、ハーバード大学生協のグッズの充実ぶりがすごい。売り場の大きさは東大に比べれば5-6倍あるんじゃないかと思うし、グッズの種類の豊富さで言えばディズニーランドより充実しているんじゃないかという気がする。

ロゴ入りの服やコップならばどこにでもあると思うが、USBやゴルフボールもあるし、ヨーヨーや扇子のように需要があるのか良く分からないものまである。バックパックの種類で言えば、ハーバードロゴ入りのあからさまなものから、色がハーバードカラーなだけのさりげないものまで取り揃えてある。

ハーバードのブランドが巨大であるのは言うまでもないことだが、これらの取り組みはそのブランド力をどんどん純化していく戦略にも思える。アップルやグーグルが自身の製品、アプリ、ウェブサービスの中にどんどんユーザーを囲い込むのと一緒で、ハーバードもソフトではなくハードウェアの分野で同じようなことをしているのかもしれない。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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