Google Fiの使い方

Google Fiというのは、Googleが運営する携帯電話サービスである。現在はアメリカでしか契約できないのだが、GoogleデザインしたSIMカードによって、通話およびデータ通信をするものだ。利点は安いことと、世界中どこでも使えて料金が変わらないこと。帰国した際には日本でも何の不便もなく使えるのが確認できた。

Google Fiの特徴は、完全にデータ使用量を元にした料金体系と、大手携帯電話会社の電波のうち強いものから選んで自動で切り替えるという機能である。Google自体が電波の基地局を持っているわけではないのだ。この2つの特徴がゲームチェンジャーとも言える以下のサービスを作っている。

まず、Google Fiはアメリカで最安で携帯電話が契約できる。通話とテキストが込みの基本料金が15ドル、データ通信が1GBあたり10ドルという明快な料金体系だ。そのため、学期中などで家の学校の往復ばかりで常にWIFIを使っているような時期は、1ヶ月あたり1GB以下しかデータを使わないので、携帯電話料金も25~30ドルぐらいに収まる。

アメリカだと3GBまで使い放題で40~50ドルというのが一般的だが、それよりも圧倒的に安くなる。「電話とテキストを使えて、データは0から使った分だけ」という理想の契約形態が可能なのである。色んな理由で月当たりの実質料金を引き上げて利益を確保しようとする他の携帯会社とは一線を画している。

次の利点は、世界中の携帯電話会社の電波を使えること、どこで使っても1GBあたり10ドルという料金体系が変わらないことだ。これは旅行や出張の際にとても助かる機能だ。日本の携帯電話会社にあるような、1日あたり1500円等のプログラムに入る必要も無いし、海外で現地に着いてからSIMカードを買う必要もない。

海外に行った時に、携帯電話の電波の問題で不便な思いをしたことがある人、現地でSIMカードやWIFIルーターを契約するためにそれなりのお金を払った人は多くいるだろう。海外にいる時ほど時間や道案内・待ち合わせのための連絡が大切だ。その際のストレスが一切なくなるというのはとても強力だ。特に自分のように年に何回か海外に行く場合はとても助かる。

以上の夢のような契約が可能なのは、アメリカ国内のみである。実は、アメリカ国内でもGoogle Fiの存在を知っている人は少ない。

契約の手順は以下の通りだ。まず、Google FiのWEBページに行き、SIMカード(無料)を申し込む。アメリカ国内の住所を指定すれば、そこに1週間以内には送られてくる。究極を言えば、日本から契約をしたければアメリカに用事がある際に、ホテル宛に送ってしまうという手もある。

SIMカードが来たら、自分の手持ちの携帯電話をSIMロック解除する。自分の場合はSIMロックフリーのiPhoneXSを購入し設定した。電話番号は新たに取得することもできるし、もともと契約していた番号をGoogle FiのSIMカードに移すこともできる。自分の場合はアメリカではもともとT-mobileを契約していたので、その番号を移行した。

設定が終われば、そこからは今までと変わりなく使うことができる。昔はGoogle Fiへの対応がNexusやPixelなどに限られていたのだが、最近はiPhoneにも対応するようになった。日本に一時帰国した時にも変わりなく携帯を使えることが確認でき、海外での便利さも実感できたのは大きい。

これほど強力なサービスだと、UberやAirBnBのように業界を破壊してしまうのだろうか?今後もその恩恵を受けながら推移を見守っていきたい。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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