アメリカ東海岸での環境設計の考え方GSD留学前に、アメリカ西海岸を代表するUCバークレーに訪れ、LOISOS+UBBELOHDEから環境設計について学ぶ機会があった。カリフォルニアでは将来のゼロエネルギービルの義務化(ゼロエネルギービルでないと確認申請が下りない)を視野に入れているほど先進的なため、環境設計のメインのフォーカスはいかにゼロエネルギーにするかという点だった。また、サンフランシスコの気候は1年中殆ど快適な範囲なため、壇冷房エネルギーの減少を重視するというよりは、自然光をどれだけ利用して照明エネルギーを減らすかというところも重視されていた。一方で東海岸の環境設計の雄とも言えるのがPayetteだ。先述のように建築事務所の中で数少く、内作で環境設計部門を持っ...25Aug2018
RevitにおけるDynamoの可能性RevitというのはAutodesk製のBIMソフトのことだが、そこに最近は標準搭載されるようになったDynamoというプラグインがある。DynamoはRhinocerosに対するGrasshopperと同様に、CAD上でのモデリング作業をプログラミングできるツールだ。CADでプログラミングするというのは何事かというと、階段をモデリングするとか、窓のサッシをモデリングするとか、どうしても繰り返し作業になってしまうモデリング作業をプログラムすることだ。「この点からこの点を結ぶこの線をベースとして○段の階段を作る」といったことをワンクリックで行えるようになる。RhinoのプログラミングツールであるGrasshopperというプラグインは...18Aug2018
日本でなぜBIMが普及しないのかPayetteでのインターン期間中では、詳細設計図のまとめに関わることができた。先述した通り、Payetteは図面は全て完全にBIM(AutodeskのRevit)で描いている。日本の導入の遅れから見ればとても差を感じるのだが、これは何が原因なのだろうか。PayetteがどうやってBIMで全ての図面を描いているのかポイントを挙げながら分析したいと思う。アメリカの事務所では一般的なのかもしないが、デザインをせずに図面だけ描くというCADオペレーターという概念がない。いわゆる建築設計というデザインする職種の4~5人のチームで5000平米程度のプロジェクトの図面を手分けして描いている。BIMに触らないのは50代のグループ長クラスの1人だけ...11Aug2018
Payetteとアメリカ建築事務所の労働環境6月の下旬からPayette(https://www.payette.com/)という160人規模の建築事務所でインターンをした。ボストンの建築事務所の中では一番給料が高いと言われていて、病院や生物・化学研究所を主に主戦場としている。Payetteが設立されたのは1930年代でその歴史は長く、職種は建築設計、インテリア、ランドスケープ、パース、そして環境設計に分かれている。アメリカでも環境設計(設備設計はやらない)を内作で持っている事務所はとても珍しい。現実的なことを言うと、設計事務所は図面を書くことでお金を稼いでいる。建築、インテリア、ランドスケープ、パースともに、図面を発行する部門だが、環境設計だけはその仕事の特質上、図面を作る...04Aug2018