マイアミの”都市を紡ぐ” その2前回の記事で説明したプロセスを経て、次の課題は、実際の敷地に対して自分たちのデザインしたものが、どのように活かせるかを考えることだ。自分たちが発見した敷地は、課題の対象であるオーバータウンに東側の、高速鉄道線路沿いの敷地だ。黒人居住区であるオーバータウンは、昔から常に巨大な交通インフラの介入によって街が分断、細分化されるという憂き目に合ってきたが、2018年に開発された高速鉄道BrightLineもその例外ではなく、地表レベルを走る線路によって街のアクセスはさらに悪くなった。特に、線路の東側には都心にアクセスするためのモノレールの始発駅があり、オーバータウンの住人が仕事を得るためには都心へ交通利便性が不可欠なのだが、それからもさらに...29Dec2018
マイアミの”都市を紡ぐ” その1冬学期スタジオ課題の最終提出を12/12に行った。以前の記事(https://hk-gsd.amebaownd.com/posts/5032177)にも書いたように敷地はマイアミで、冬のリゾート期間向けの高級マンションやホテルにばかり投資が集まるその土地に、もっと地元の人に広く開かれた開発戦略、アルタナティブな建築のあり方を提案するという課題であった。建物のプログラムは低所得者層向けのユニットと市場価格のユニットを含む集合住宅である。スタディのプロセスは実際に存在する建築・都市デザインを研究するところから始まった。先生がセレクトした集合住宅1つと、自分らでセレクトするインフラ関係のプロジェクト1つを分析するのが課題で、SANAAによ...22Dec2018
"触れる"インターフェイスGSD2年目の特権として、授業の選択肢の多さがある。プログラムにもよるが、1年目は必修のスタジオや授業を取る必要があるので、選択の可能性があるのが1学期あたり1つぐらいしかないし、必修の授業と取りたい授業の時間が重なってしまえば、選択すらできないのが難点だ。ということで、GSD2年目の秋学期には憧れでもあったMITメディア・ラボの授業を選択することができた。その中にいる大スターの教授、石井裕先生のラボが行うTangible Interface-"触れる"インターフェイスの授業だ。Tangible Interfaceとは何か。今の世の中はiPhoneやVRグラス、PCのスクリーンに代表されるようにグラフィック・インターフェイス(GUI...16Dec2018
縮小する都市のゆくえ今学期は都市計画の歴史と理論を扱う授業を選択した。理系出身の自分としては、こういう完全なる文系の歴史・理論の授業は初めてだったので、挑戦でもあった。都市設計理論の最終レポートにおいては、今まで実現しなかった都市計画案について、なぜ実現しなかったのか論考を行うものだったので、自分は東大大野秀敏教授によるFiberCityを取り上げることとした。FiberCityは人口減少社会の中での都市の縮小をどうデザインするかにフォーカスしたものである。GSDは発展途上国の都市発展のサポートやアイディア出しをすることが多いので、人口・都市の縮小による諸問題は議論されることが極めて少ない。しかし、人口減少社会というのは先進国の中でも身近であり、アメリ...08Dec2018
鉄道網による日本のアーバーニズム以前の世界のメトロの比較(https://hk-gsd.amebaownd.com/posts/3845082)の記事でも触れた内容であるが、日本の鉄道網の凄さについてアメリカで都市デザインを勉強したことで再認識をした。そこで、何が特別なのかを自分なりの視点で説明した記事をハーバードのアーバンデザインのブログに投稿する機会があった。(https://www.ud-id.com/territories/2018/4/1/5qxi64py2pytv620k2r66ww3lcyr1c-7dw96-f35nn-4mzt8-4s92b-hwn7j-etjn5)ここで書いたことを日本語でも書き留めておきたいと思う。ポイントとしては、東京や日本の...02Dec2018