アメリカで字幕機を使って映画を見る

アメリカ赴任中や留学中の人たちに共通することで、「仕事や勉強には支障がないんだけど、映画のセリフが全然聞き取れない…」というのがあるだろう。映画の中に出てくる人は、キャラクター付けを明確にさせるために、声がやたらと特徴的だったり、強い訛りで話したりする。そのため、何言っているのかわからないことが本気で多い。

特にSF・アクション映画の場合は専門用語・特殊な言葉が出てくる場合が多く、英語が聞き取れないから分からないのか、単語を知らないから分からないのか混乱してしまう。映画が終わった頃には「まあ日本で見る時に比べて50%ぐらいは楽しめたかな。。」となるのが殆どだ。

一方でアメリカのテレビを見る時は、字幕をONにすればバラエティやドラマもかなり楽しめるように最近はなってきた。たとえそれが英語字幕であっても、聞き取り能力の問題がなくなるから良いのだ。先程の例で言えば、SF専門用語のようにスルーして構わない単語がわかるので、とても安心だ。

そういう経緯で、アメリカの映画館でも英語字幕が見れれば良いのになという発想になった。アメリカで字幕は「Closed Caption」と言い、字幕が対応しているものにはNetFlixでもYoutubeでも"CC"のマークがついている。

ボストンにあるLegal Chinema Fenway Stadium(https://www.regmovies.com/theaters/regal-fenway-stadium-13-rpx/C00168531252)でチケットを調べたところ、"CC"のマークがあった。じゃあ何らかの方法で字幕を見れるんじゃないかと思って調べると「字幕機を貸し出しています」との表記が。

なので、勇気を出して受付で「字幕機ありますか?」って聞いたところ、「ゲストサービスカウンターで借りてください」と言われた。本来は聴覚障害の方向けの機器なのだが、アメリカは日本のように「健常者なのに借りるなんて恥ずかしくないのか」という議論の起こらない実用主義の国だ。数が余っていたこともあり、10分ぐらいセッティングの時間の後、無料で借りることができた。

字幕機は写真にあるような大きめの3Dグラスのようなもので、それがスマホサイズぐらいの機器にケーブルでつなげて機能させる。手元が若干ごちゃごちゃはするが、映画を見る間は座ったままなので特に問題はない。見た目も仰々しいが、映画を見ている間は人に見られることもないので恥ずかしくもないだろう。

グラスの色は透明で映画の色が変わらず見ることができ、そのグラス上に表題写真のように緑色で字幕が表示されることになる。なので本当に、字幕のある映画を見ている気分になる。メガネの角度は上下方向に回転でき、そこを調整すれば字幕の位置を映像の邪魔にならない好みの位置に変えられる。

最終的には、字幕機のおかげで映画を100%楽しむことができた。これからは「映画の英語が聞き取れない問題」に囚われることなく、映画を楽しむことができるのが嬉しい。

GSD World - ハーバード大学建築・都市デザイン留学記

建築と都市デザインをハーバード大学デザイン大学院(GSD)で勉強する川島宏起のブログです。

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