GSDな自分 2.0GSDでの最初の学期が終わった。感想は、なんとか生き抜くことができたということに尽きる。こちらに来る前は「GSDと言っても学生だし、日本の仕事に比べれば楽だろう」と考えていた。現実は「生き抜く」という言葉を使ってしまうぐらいだった。前のブログでも書いた通り、チームメイトのおかげで大丈夫だったという感覚が強い。一学期を通して見えてきた自分の至らない点は何か。まず、英語力の絶対的な不足。次に、企業勤めの間に染み付いた、時間内に無難に完成させるという体質。そして、人脈を広げる力の弱さである。英語力の不足が大きな足かせだ。人前で英語を話すことに慣れておらず、話しているうちに緊張してしまう。また、頭の中で自分の喋りたい内容が先走ってしまい、口...31Dec2017
自然史博物館のようなオブジェデジタルファブリケーションの授業である、ハイブリッド・フォーメーションの最終課題では、縦0.4m×横1.2m×高さ0.4mのオブジェを3人チームで作ることが求められた。今までの学期の中で学んだ3dsmaxによるモデリング技術と、供給された3Dプリンターを使いながら、コンセプトやテーマは自分たちで設定して、「Novel Form:新しい形」を追求する課題だ。最初はアートワークのリサーチから始めた。その中で興味を持ったのが(アートの基本なのかもしれないが)普段は当たり前のように見えているものの認識を変えてしまうものだ。その中で一番当たり前のように認識しているものは何かと考えた時、人間の体が一番そうなのではないか思った。人間の体そのものの...14Dec2017
ルーというチームメイト設計スタジオの最終課題にあたってチームを組んだのが清華大学出身、学部を卒業したばかりのルー(ZHILE XIE)という学生だった。これが超絶に強烈かつ優秀なチームメートだった。ルーはもちろん建築学生だが、アートの分野に強いセンシティビティと興味がある。自分の作品をどう見せるか、どう文章で説明するかということについての執念がものすごい。表題の写真もそうであるが、Instagramにも常に「普通でない」表現の写真を載せ続け、普段は小説を書くのが趣味だという。小説の内容は―ニューヨークに出稼ぎに来るもののそのコミュニティに馴染めず悩んでいた若者のもとにその生活を揺るがす人が現れる―といった感じで純文学のようだ。アーティスト的な資質が強いの...10Dec2017
西へと向かう力GSDのアーバンデザインの第4課題は、NY、シカゴ、LAにある決められた3つの敷地の中から1つを選択し、集合住宅を含むコンプレックスを設計することであった。設計は2人チームで行う決まりで、自分は清華大学出身の24才、ルーと組むことになった。ルーはとても強烈なキャラクターの持ち主だったので後記する。自分たちはLAの敷地を選んだ。ヴェニスビーチの近くにある駐車場の敷地で、幅が50mで長さが300m以上のとても細長い形状である。周辺の街区のグリッドの中からどこか取り残されたような雰囲気が印象的だった。古い航空写真や地図から歴史を紐解いてみると、20世紀初頭には鉄道のレールとして周囲の街区を切り開くような形で敷設が行われた場所だった。その後...07Dec2017