都市のグリッドの研究今学期はジョアン・バスケッツという都市デザイナー・建築家の授業をとっている。HarvardのGSDには都市デザインにおいてビッグ・スリーとでも言うべき教授陣(皆70才以上)がいて、アレックス・クリーガー、ピーター・ロウ、そしてスペイン出身のジョアン・バスケッツだ。バスケッツバルセロナオリンピックのマスタープランなどにも関わっていて、現在の専門は都市のグリッドの研究である。グリッドというと日本では正直リアリティを感じにくい。日本の大都市は城下町をベースにした構造を持っていることが多く、グリッド状の都市もとい碁盤の目の都市と言えば、京都や札幌などが頭に浮かぐらいだ。なので、日本での授業ではグリッドという視点の説明をあまり聞いたことがなか...24Feb2018
ロゴ社会とハーバード・ブランドアメリカなにしろロゴの多い国だ。ロゴ社会だ。学生はロゴが入りの服を着ている人が多いし、ラップトップに何かのロゴをペタペタ貼り付けるのも好きだ。個人的に面白いと思ったのが、街中やビルの中で作業をしているような人は全てロゴ入りの何かを着ていて、それでその人の役割がわかることだ。清掃している人ならxx Serviceと書いてあるし、庭を整える人たちはxx Landscapeとか書いてあるトラックで来るし、建物の中で補修作業をしている人のTシャツを見れば、ああこの人はカーペット屋さんなんだなとかがわかる。日本だと制服の文化が発達はしているが、街中で作業している人たちが何かをしているんだろうけれども、何をしているのかはその分野に精通していない...19Feb2018
東京(日本)だと無意識に消費するものボストンは物価が高いし「何でこんなものにこんな値段を払わなきゃいけないわけ?日本だともっと安いのに。。」と思うことが何度もある。そういうものを買いたくないので、逆に節約をするし、高い値段を払ってでも買ったものは大事に使い、消費をする。そんなことを半年続けた後に先日帰国した際、日本で何の疑問も感じずに消費していたものに逆に気付かされることになった。下記にとりとめもなく列挙するが、これらの商品を供給するのがほぼ例外なく大企業なのは、それだけ日本の中で当然のものとして、無意識に消費されるからだろう。01 電車代東京エリアは世界の都市に類を見ないほど鉄道の密度が高い。ダントツで発達しているので、他国から「東京をモデルにしよう」なんて思っても...14Feb2018
上っ面の美学「上っ面の美学でものを作っちゃいけないよ」という言葉は、新建築の元編集部の橋本さんにアメリカに行く前の送別会で言われたことだ。この「上っ面の美学」というキーワードはアメリカに来てからひしひしと、とても興味深く感じる。日本(東大)の建築教育と、アメリカ(GSD)の建築教育には共通点もあれば相違点もある。共通点はプロジェクトの社会性を大事にし、ロジカルなアプローチでデザインを行うことだ。相違点は、日本の講評会においては建築の空間的な面白さが重視され、アメリカにおいてはプロジェクトをどのように語ることができるがが重視されることだ。そのため、日本ではプロジェクトについて語るのが上手くなくても、空間的に面白さ・可能性があれば議論が盛り上がるし...05Feb2018