共感の美学:ストーリーで価値が決まるアメリカ社会以前に上っ面の美学という記事を書いた(https://hk-gsd.amebaownd.com/posts/3696504)が、最近アメリカにいて強く感じるのが国の中に浸透している「共感の美学」だ。それはテレビを見ているうちに何となく気づいていったことでもある。普段はアメリカの日テレ的な放送局のNBCをよく見ているのだが、その人気ダンスコンペティション番組であるWorld of Danceを見ている時についに言語化ができた。World of DanceはJennifer LopezとNe-YoとDerek Houghという美男美女かつ実績があって有名かつバラエティでもたくさん喋れるという人たちが審査員をやっている。世界中から応募して...23Jun2018
ディア・カンパニーアメリカにいる間に絶対行きたいと思っていたもうひとつの建築、エーロ・サーリネンによるディア・カンパニーを訪れることができた。ミースのファンズワース邸からさらに1時間半ほど西へ、シカゴ市内から行くと2時間半ほど車で走る距離にある。建物の英語の正式名称はJohn Deere World Headquartersである。ディア・カンパニーはアメリカを代表する農耕作業機械の会社であり、サーリネンが設計したのはその本社屋および展示棟だ。展示棟は年中無料で見学できるので建築好きにとってはとても嬉しい。デザインとしては、何から何まで黒く塗装された鉄骨で構成した、鉄骨表現主義を追求したものだ。実は、非常に似た印象の建物として日本の香川県庁舎があり、...17Jun2018
ファンズワース邸世界のモダニズム建築の三大巨匠による三大住宅と呼ばれるものがある。シカゴで建築巡りをしていた時に、そのうちの一つであるミース・ファン・デル・ローエによるファンズワース邸を訪問した。三大住宅を訪問するはこれが初めてだ。シカゴの病院に勤務する医師のエディス・ファンズワースのために作られた郊外の住宅で、ファンズワース嬢は川のほとりの自然の豊かな立地を、都会の喧騒から離れる場所として選択したようだ。今回も1時間半ほどのドライブで行くことができた。ファンズワース嬢とミースは竣工時には建物の予算等を巡って仲違いしてしまい、ミースが竣工後にファンズワース邸に訪れたことは一回もない。ファンズワース嬢はミースがデザインした家具を使うことを拒否して暮ら...11Jun2018
ユニティ教会シカゴの中心地から地下鉄で20-30分ほど移動した、オークパークという地域にある、フランク・ロイド・ライトが設計して1908年に竣工したユニティ教会に行ってきた。オークパークはフランク・ロイド・ライトが独立後に初めて事務所を設置した場所で、近くには自身の自宅兼スタジオや、設計を手がけた初期の住宅群がある。ユニティ教会は駅から10分ほど歩いたところにあった。シカゴの典型的な郊外住宅地の中にある地域の教会というような趣だ。宗派はキリスト教から派生したユニテリアン・ユニヴァーサリズムで、もともとそこにあった教会が火事で消失したことから、ライトに設計の依頼があったという。建物はそれなりに交通量のある交差点に面していて、外から見ると質素なコン...07Jun2018
GSDな自分3.0ボストンに来てから11ヶ月が経ち、留学もようやく折返し地点に到達した。ボストンの季節も長い冬がやっと終わり、春が急速に過ぎ去って一気に夏になった。1学期目は何もできなくて自分を責めすぎる傾向が強かったのだが、今は「まあ1学期目は仕方ないな」と思うようになった。1学期目と2学期目の違いを考えてみると、やはり英語で学習する環境への慣れだと思う。まず、リスニング力。1学期目は全然聞き取ることができなかった癖のあるクラスメイトのアクセントも、何を喋っているのかわかるようになったし、テレビのバラエティやドラマを見ていても(未だに字幕を表示して見てはいるが)以前よりもっと楽しい。リスニング力の向上を巷では「耳に穴が開いた」という表現をするらしい...31May2018