ハーバード大学デザイン大学院(GSD)の教育プログラムハーバードのデザイン大学院(GSD)のカリキュラムの特徴は、単位数はそれなりで研究室のワークが中心となる日本の大学院と違って、どちらかと言えば日本の大学のように単位を取る授業のみで構成されている。逆に言えば、先生が自分の研究を進めるために学生を使う日本のようなやり方は禁止されていて、純粋な教育機関として存在しているのだ。一学期に取るべき単位は20単位で、授業をひとつ履修すれば4単位を取得することができる。なので単純計算で一学期あたり5授業取ればそれで十分である。ただし、作業量の多い設計スタジオについては8単位が取得できるので、1スタジオ+3授業というのが一般的なとり方だ。スタジオというのは、実際に建築なりランドスケープなり、都市スケ...24Nov2018
建造物鑑賞についてアメリカに来てからも聞いている大好きなラジオがあるのだが、そこのパーソナリティが建造物鑑賞について語っていた。曰く、「建築が大好きな兄に連れられて、旅行で建造物めぐりをしたのがとてもつまらなく、トラウマになっている」という話だ。なぜ建造物の鑑賞がつまらないかというと、「動いてないものを見たところでつまらない」という単純な理由だ。建造物鑑賞が趣味の自分としては、このようなことは全く考えたこともなかったので意外だった。もちろん自分は建築が専門なので、普通の人よりも建造物鑑賞がとても好きだ。今回ボストンに一緒に来てくれている妻も建築・都市デザインが専門なので、アメリカで行く旅行先に関しても、一般の人が行く国立公園巡りのようなものよりも、建...18Nov2018
Google Fiの使い方Google Fiというのは、Googleが運営する携帯電話サービスである。現在はアメリカでしか契約できないのだが、GoogleデザインしたSIMカードによって、通話およびデータ通信をするものだ。利点は安いことと、世界中どこでも使えて料金が変わらないこと。帰国した際には日本でも何の不便もなく使えるのが確認できた。Google Fiの特徴は、完全にデータ使用量を元にした料金体系と、大手携帯電話会社の電波のうち強いものから選んで自動で切り替えるという機能である。Google自体が電波の基地局を持っているわけではないのだ。この2つの特徴がゲームチェンジャーとも言える以下のサービスを作っている。まず、Google Fiはアメリカで最安で携帯...10Nov2018
バイネッキ貴重書・手稿図書館イエール大学の建築群の中でも度肝を抜かれたのが、SOMのゴードン・バンシャフトによって設計されたバイネッキ貴重書・手稿図書館である。建物の四方全面が、プレキャストコンクリート枠に嵌め込まれた、32mmにスライスされた大理石のカーテンウォールという、世界に類を見ない建築だ。建物の外観はその特徴的なカーテンウォールで囲まれた、立方体の石の固まりのようになっている。日本だと建築主から「台風が来てものが飛んできて石が割れたらどうするんですか?」と言われて却下されそうな、とても壊れやすいファサードだ。目立たないように最小限の高さに抑えられた1階から、建物の中には入ることができる。03Nov2018