GSDな自分 1.0寮であるPeabody Terraceの中で一番高い建物の最上階には自習室がある。ふとしたことでそこから見えた夕焼けが綺麗だった。広大な地平線の向こうに沈む太陽というのは、日本ではなかなかお目にかかれない光景だ。ボストンに着いてから2ヶ月が経つ。一月目と二月目の速さの違いには驚くばかりだ。ボストンという都市に慣れてきて、身の回りも整い、生活がシンプルになってきたからだろう。これから授業がきつくなるにつれて、さらに生活がシンプルになって、時間が経つのが速くなるのだと思う。7月から8月の頭にかけてはGSDから課せられた英語の授業だった。英語のスキルを鍛えるだけでなく、アメリカの建築・都市計画・ランドスケープについて深く学ぶことができたの...29Aug2017
セント・マリア・スタータ・センタースタータ・センターはMITのコンピューターサイエンス分野の研究所で、ジムや食堂、幼稚園などの共有施設も備えた、10階建て40000㎡の建物で、地下には27000㎡の駐車場もある。写真を見れば想像がつく通り、というかこのデザインは世界でただ一人の建築家にしか許されてないのだが笑、建築家フランク・ゲーリーによって設計された施設だ。スタータセンターに興味を持ったのは、英語の授業の最終課題がボストンで建物を一つ選んで、リサーチする課題だったことがきっかけだ。どうせリサーチを行うのなら、興味があるかつ一番理解ができないものをピックアップしたい、ということでこの建物を選んだ。課題では建物の平面・断面スケッチをする必要があった。スケッチをしながら...26Aug2017
タングルウッド音楽祭先日、大学からの友人でバイオリニストのみんてぃと一緒にタングルウッド音楽祭に行ってきた。タングルウッドはボストンと同じマサチューセッツ州だが、真西へ200km、車で2時間ぐらいの距離にある。タングルウッドは良く「ボストン近郊」と称されるが、200kmとはまさにアメリカサイズの近郊である。アメリカでは初めてのドライブになった。というか右側車線で走るのが初めてである。みんてぃが予約してくれた一番安いと思われるレンタカーに乗ったのだが、レンターカー代がこれがまた高い。往復で400kmの長距離なので2人で運転することにしたのだが、ドライバーが1人増えるごとに+50ドルだとか、何かにつけて○○フィーだとか言われ、WEBの表示価格よりかなり上乗...22Aug2017
オルムステッドの遺産19世紀にアメリカで活躍したしたランドスケープ・アーキテクトがフレデリック・ロー・オルムステッドだ。世界で初めて「ランドスケープ・アーキテクト」を名乗った人で、信じられないほどの量の伝説的なプロジェクトを手掛けた人物である。日本の漫画界で言えば手塚治虫のような人で、「ランドスケープ・アーキテクトの父」とも称されている。代表的なプロジェクトといえば、ニューヨークのセントラルパーク、カナダのナイアガラの滝の整備、カルフォルニアのヨセミテ国立公園、そしてボストンのエメラルドネックレスだ。どれをとっても国家的なプロジェクトばかりである。例えばナイアガラの滝では、整備される前はその水力を利用した工場・人工物が目立った場所だったのを、それらを徹...16Aug2017
ボストンの物価寮から歩いて20分以内の距離には3つのスーパーマーケットがある。Hマート、ホールフーズ、トレーダージョーズだ。Hマートは韓国食材専門なのだが、中国系、日本系の食材がなんでも売っている。例えば、しめじを買おうとしてもアメリカではなかなか見つからないのだが、Hマートにはある。ただししめじ1パックが4ドルぐらいなので、ここでしか買えない食材は日本の2~4倍はする印象だ。ホールフーズはオーガニック・健康を売りにしているスーパーで、全てのものが美しく陳列され、美味しくて、人気がある。ただし、価格は日本の高級スーパー並みだ。トレーダージョーズはLA発のスーパーで、セブンイレブンやイトーヨーカドーのように自社開発の製品が多く、比較的安い。価格は日...13Aug2017
読むということ英語の授業の期間中は、まだ設計スタジオも始まらないので読書の授業が中心である。読書の授業というのは、建築や都市計画に関係のある20Pぐらいの記事を読んで、その内容についてディスカッションをする授業である。こっちの授業では、しっかり予習をするのが基本で、読書であれば通しで2回ぐらい読み、自分なりに要約を作ってから、参加しなければならない。読む内容は様々だ。建築の倫理について、ハイラインのデザイナーによる都市のランドスケープのあり方、テクノロジーは政治的要素をはらむか、都市の周辺地域の荒廃について、廊下空間が果たした歴史的社会的役割、オムステッドの業績とモーゼスの悪行、インドでなぜ都市計画がうまくいかないのか。こうやって書き並べてみると...10Aug2017
ミンティの話ミンティというのは大学時代からの旧友のあだ名だ。名字が「草」川だから、中学生の時からあだ名がミントで、建築学科に入ってからミンティとなったそうだ。2007年に理Ⅰから建築学科に進学した時のクラスメイトで、出席番号が隣だったのがしゃべり始めたきっかけだ。今まで何かと縁がありかれこれ付き合いは10年にもなる。大学3年の時、ミンティは所属のオーケストラサークルのために留年した。それで学年が別になり一旦疎遠になったのだが、今度は僕の方が修士1年の時に海外インターンのために留年した。そしたらミンティが1年遅れて修士で同じ研究室に入ることになり、また同期として研究生活を共にすることに。就活の時は同じ会社を受けたこともあったが、結局僕だけがその会...05Aug2017
ポスト・オフィス・スクエアボストンの中心部に、大企業や巨大銀行の集まるフィナンシャル・ディストリクト(金融街)がある。その中で、中央郵便局の目の前にあるのがポスト・オフィス・スクエアだ。アメリカの都市計画・ランドスケープの歴史上の生ける伝説とも言うべきプロジェクトである。7月の英語の授業では、ボストンやアメリカの建築・都市計画・ランドスケープの名作についての文章を読み、英語の勉強と建築系の勉強を両立する。その中の一つとして取り上げられたのが、ポスト・オフィス・スクエアだ。ポスト・オフィス・スクエアは一見するとただの綺麗な公園で、周辺のビジネスマンや観光客がおしゃべりをしたり、休憩したりする場所だ。授業で勉強する前に訪れた時は、綺麗な公園だなとしか思わなかった...02Aug2017